こんばんは。
ふるさと納税、来年こそは計画的にやろうと思って毎年年末に悩んでいる気がします。
前回のはこちら。
shironeko.hateblo.jp
技術
人月の神話
かなり古い本ですね。初版は1975年出版なので実に50年前のソフトウェア工学の本です。
有名な「銀の弾などない」については実は1995年の20周年記念版で初めて掲載されたようです。
正直今日のソフトウェア開発という文脈ではなんのこっちゃみたいな記述ももちろんたくさんあるのですが、それと同時に今日も変わらない普遍的な内容も意外とたくさんあるなというのが正直な感想です。
特にAIという新しい開発手法との付き合い方と現在における試行錯誤を数十年後に見た姿はもしかしたらこんな気持ちなのかなと思ったり思わなかったり。
AIにおけるベストプラクティスはいつになったら出てくるんだという空気が若干漂っていますが、AIにも銀の弾などないのでしょうね…。
[24時間365日] サーバ/インフラを支える技術
人月の神話ほどではないですが、この本も2008年なので一般的にはかなり古い本の部類に入りますね。
いまやクラウド、SaaSは当たり前になりましたが、この時代のインターネットサービスにおいてはオンプレで何もかも構築するのが当たり前でした。
そういった中で24/365でサービスを安定して運営するための工夫がたくさん詰め込まれており、こういったことをクラウドが簡単にしてくれているんだよというのを改めて学ぶのに案外良い教材のようにも思えます。
ロードバランサ、リバースプロキシ、DB、KVS、死活監視やフェイルオーバ…なんだかんだオンプレの知識は大事。
ビジネス
冒険する組織のつくりかた
ビジネスにおいて「戦略」や「戦術」という言葉は当たり前に使われていますが、これらはいわゆる「軍事的世界観」の言葉です。
現代の複雑性の増した世界においては人・組織には、「軍事的な世界観」から「冒険的な世界観」へのアップデートが求められるという話とそのためにどうすればよいかというのがこの本の趣旨です。
とても示唆に富む内容で線を引きまくったのですが、結構重要なのはこれまでの軍事的世界観で培われた数多くのツールや方法論は当然有益であり、「軍事的世界観のやり方なんて時代遅れだ」みたいな話ではないことです。
なので、まずはいわゆる「戦略」の本とかを読んで予備知識を付けた後に「手段」ではなく「世界観」をアップデートするための本として読むのが良いのではないかと思ったりしました。
忙しい人に読んでもらえる文章術
この本はまず表紙のデザインがとても秀逸ですね。よく見ると「時間に追われる忙しい人にもひと目でわかりやすく正確に読んでもらえる行動科学に基づいた一生モノの文章術」と書いてあるのですが、2/3くらいが黒塗りになっていて「忙しい人に読んでもらえる文章術」と読めるようになっています。
これはそのまま不要な文章をできるだけ削ってニュアンスを変えずに読んでもらえる文章のテクニックになっているということですね。
原書のタイトルは「Writing for Busy Readers」で同様に「You are Writing more than ever, competing for the attention of Busy Readers who skim.」という文章の多くに取り消し線がついています。
読みやすい文章を書くにはどうしても文章を書く経験が必要ではあるのですが、こういった先人のテクニックはありがたく利用させてもらうと学びのスピードがアップできて素敵です。
ゆるストイック
まず最初に言っておくとそんなにゆるくはないです。
誰かに強制したり強制されたりすることが減った、いわゆる自己責任の社会でいかにして自分自身を管理していくかというような話です。
「自分を律するストイックさ」 と、他人と違う考えを許容し干渉しない、 「寛容さ(ゆるさ)」 という、相反するような価値観を同時に持つことが強さに直結する。 そのように感じています。
自由には責任が伴いますからね。自己責任の時代に自分の戦略を作るのは自分自身だと肝に銘じて、義務を果たさずに権利だけを主張するような人にならないように気を付けたいものです。
構造化思考のレッスン
いわゆるハウツー本というか、構造化思考をできるようになるためにはという本なのですが、構成としてはストーリー調になっています。
まずそもそも、ものごとを考えたり説明をするにあたって、構造化をするという基本的な考え方を身に着けるのにとても良いです。
AIロボット「コウゾウ」と主人公のやりとりで話が進んでいくのですが、ちょくちょく挟まれるゆるい感じのイラストがなんとも味があります。
もちろん小説ではないので物語自体はシンプルなのですが、なんだかほんのりしんみりする雰囲気もあって結構好きでした。
ファスト教養
教養をWikipediaで引いてみると以下の通りです。
教養(きょうよう)とは、個人の人格や学習に結びついた知識や行いのこと。これに関連した学問や芸術、および精神修養などの教育、文化的諸活動を含める場合もある。
一般に、独立した人間が持っているべきと考えられる一定レベルの様々な分野にわたる知識や常識と、古典文学や芸術などの文化に対する幅広い造詣が、品位や人格および、物事に対する理解力や創造力に結びついている状態を指す。
つまり教養というのは学びや経験から身につく幅広い知識や人格などのその人を形作る非常に総合的なパラメーター(っていうのもちょっと品位にかけるかな)です。
ところが本屋に行くと「教養としての~」みたいな本がたくさんあり、現代では教養をビジネスやコミュニケーションの道具としてファストフードのように消費するようになってしまっていると著者は述べています。
確かに教養をツールとして手っ取り早く身に着けたいという気持ちは常にどこかにあるように思えて、ちょっと刺さるものがあります。
ただ、その手段が良いかどうかは別として教養を身に着けたいという思い自体は人として持っていたいもので、逆に教養を冷笑するような人が増える世の中にはなってほしくないなと思わずにはいられません。
人文
科学的に証明されたすごい習慣大百科
なんだかどこの本屋に行っても見かける気がします。
いわゆる心理学とか行動経済学とかの知見を用いた意志の力に頼らずに日々を上手に生きるテクニック集みたいな感じです。
一つ一つのコンテンツが短く、112個もあるのでサクサク読めていいですね。
交渉で必要なことはすべてネコが教えてくれた
猫の本です。いや、そんなことないです。
人間はネコに学ぶべきことがたくさんあるという本です。
普通に自己啓発本として面白いのですが、それはさておきとにかく著者は猫が好きなんだろうなというのが随所に見受けられてニヤニヤできるので、猫好きなら読むといいと思います。
そう、人間は愚か。サイレント・ニャーには誰も勝てないのです。
人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学
『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』、『学びとは何か』などの著者である今井むつみさんの本です。
著者が慶應大学SFCの教授を定年退職するにあたっての最後の授業の内容を本にまとめたものとのことですが、非常に読みやすく、認知心理学に興味を持つ最初の1冊としてとても良いですね。
バイアスや記号接地の話などをAIというコンテキストも交えてうまくまとめられており、人間やAIがどのように世界を認知したり学んだりしているかという面白さを感じられるかと思います。
タイトルが長くて一生覚えられないので人に勧めるときに辛いです。ちなみにアブダクションについてもう少し知りたかったのでこれも読んだのですが、難しくて心が折れそうになりました。
感情戦略
いわゆる心理学の本ですかね。
感情というのはすごく原始的で一番自分自身の中心にあるようなものの気がしますが、実は感情は自分を振り回すやっかいな奴だということが主張されています。
感情は理屈の外にあってコントロールできるようなものではないというよりも、こういう理由でこういう感情が生まれるのだというすごくロジカルな理論が個人的にはとても良かったです。
こういう時にはこういう感情になりやすいみたいなことがわかってると対処しやすいですしね。
翻訳が良くないみたいなコメントを見かけましたが、個人的にはあまり気になりませんでした。
社会
13歳からの国際情勢
なんとなく目について読みました。
世界情勢とか全然詳しくなかったのですが、結構楽しく読めました。
このジャンルは全然手を付けてなかったので開拓していきたいですね。
とりあえず2026年、日本経済はこうなるみたいな本を3冊くらい読んだりしました。
最近SDGsとかあんまり聞かない理由をいまさら知りました。国際情勢がわかるとニュースがわかるようになって楽しいですね。
ひとこと
恒例の本紹介でした。
見返してみるとこの半年は技術系の本はあんまり読んでいないですね。
どうしてもAIに寄ってしまっているので、AIだとスピード的に追えないというかなんというか…。
それ以外も組織とマネジメントみたいないわゆる仕事系のものよりももっと広範囲にいろいろ読んでいた感じがします。
最近は経済学とか地政学とかが面白いですね。興味の幅を広げていきたいものです。
それではちょっと早いですが良いクリスマス、良いお年を。

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